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LIFESTYLE 女たちの事件簿

「政府の代わりにお金を配ります!」SNSのおカネ配りに、うっかり応募。月収28万円のシングルマザーに欠けていた視点。

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「なんとなくここまでズルズルときてしまった自分の人生を、後悔しています。その上、あんなダメ男に捕まったんですから、私の人生って本当になんなんでしょう……。

せめて、子どもたちには最低限の暮らしをさせてやりたいと思っていますが、学費以外にも食費や光熱費、それに携帯代とか、予想以上にお金がかかって、我慢をさせることも多いんです。息子の方はバイトを頑張ってくれていますが、娘の学校はバイトは禁止。大学には奨学金で行ってもらうほかありません。専門学校とか、お金がさらにかかる学部に行きたいと言い始めたら、どうしたらいいのか。お金がないことで子どもの将来を狭めてしまうなんて考えてもみませんでした。情けなくて仕方ありません」

一方の子どもたちはお金がないことを気に留めている素振りはないという。

「ママと3人で暮らせればいい、2人ともそう言ってくれるのですが言われれば言われるほど、切ない気持ちになるんです」

そんなある日だった、英子がぼんやりとTwitterを見ていると「政府の代わりにお金を配っています!」そんなツイートが流れてきた。少しだけ気になり、ツイートをアップした人物のタイムラインを覗いてみると札束が映った写真がアップされていた。

「コメント、リツイートした人から全員に40万円配ります、そんな風に書かれていたと思います。お金がないことは事実でしたが、さすがの私もそのときはそんな甘い話はないと思ってすぐにTwitterを閉じました」

その日を境に英子のタイムラインにはお金を配るというようなツイートがところどころに出てくるようになった。この前の男以外にも何人もが、同じようなツイートをしているようでそれをみるたび、いろんな人がいるんだなと英子は呑気に思っていた。

「コメントを読んでみると自分と同じような人、それ以外にもお金に困っている人がたくさんいることがわかりました。それを読んで、私だけじゃないんだと少しほっとしたくらいです」

入学式を目前に娘の学校の保護者説明会に行ったときのことである。

娘はこの春から私立高校に通う予定で、息子よりもお金がかかることはあらかじめわかっていた。さまざまな支援金を活用しても少し足りない部分があるだろうなと見込み、英子は1月からバイトを増やしてきた。

「親からも微々たるものですが、入学のお祝い金をもらったのでそれでなんとか賄えると思っていたのですが、1つ見落としていた項目があったんです。それが教育充実費10万円です。残念ながら我が家には10万円を支払う余裕はありません。しかも、その引き落としは5月。今からバイトを増やしても払えるかどうか……」



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