女性用風俗、通称“女風”を利用している女性の取材を続ける中で、ひとつ気が付いたのは「あまりセックスは好きではない」というユーザーが少なくないことだ。
希美さんもまた、男性とのセックスに嫌悪感があるという。
※この記事は取材を元に構成しておりますが、個人のプライバシーに配慮し、一部内容を変更しております。あらかじめご了承ください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
官能小説家、大泉りかが「男を買う」女の心の内に迫るレポートシリーズ、第十回、希美さん(仮名、42歳、介護士)の場合。
「もともとセックスが嫌い……というよりも男の人が苦手で。それに伴ってセックスにも嫌悪感があるんです。
男性に対してものすごく負けず嫌いなところがあって、セックスは、蹂躙されて何かを奪われているようで、殺意すら覚えてしまう。
被害者意識の塊というか、本意でもないのに男に好きなように身体をまさぐられて、気持ちもよくないのに、犯されているっていうイメージしかなくて。性奴隷の女って、こんな感じなのかなって思うくらい(笑い)」
希美さんには、10年ほど付き合っているパートナーがいるが、性生活はまったく上手くいっていない。それは、希美さんのもともとの性嫌悪に加えて、相手のやり方が合わないこともあった。
Text:大泉りか
「大泉りかの女風レポート」連載。過去記事はこちら
【第1回】「女性用風俗のお客は『経験のない人』と『経験の豊富な人』に分かれる」女風(ジョフウ)の情報サイト編集長が語る「オトコを買う女たち」
【第2回】「女性風俗の客は120分の利用、一回の予算は2~3万円が多い」知られざる“女風”の世界で働く「男性セラピスト」の実態
【第3回】「最初はおじさまセラピスト」41歳の人妻はどうやって「女性用風俗」の世界に足を踏み入れたのか?
【第4回・前編】「配偶者とは3回しかセックスしたことがない」セフレから女性用風俗へ移行した41歳女の告白
【第4回・後編】「女性用風俗の利用者の4割は既婚者」女たちが風俗に通い、そしてハマる理由
【第5回】「どうせ死ぬなら…」うつ状態の処女が足を踏み入れた “女性用風俗”
【第6回】「やったことのない“性的なこと”を、潰していきたくて」女性用風俗で“探究”し続ける28歳のデザイナー