男女ともに「個人を尊重した、自由な生き方」が叫ばれる昨今、出会いの場にも多様性が浸透している。その勢いを駆っているのかはわからないが、いま盛り上がっているのが既婚者合コンだ。
配偶者やパートナーを持つ一方で、仕事や家庭とは別の交友関係を作り、気が合えばさらにその先も……という男女が少なくないのだ。
以前のコラム(前編・後編)で「既婚者合コン」の取材記事を綴ったところ、大きな反響が寄せられたが、今回は女性視点での既婚者合コンを紹介したい。
妻となり母となっても、夫以外との出会いを求める女性はどのような心境なのか。また既婚者合コンの内情はいかなるものか。
今回取材に応じてくれたのはヨガ講師のユキさん(仮名・39歳)。
中1の娘を持つ彼女は、普段はカルチャースクールのヨガ講師をしており、個人レッスンも手がける人気講師だ。
スレンダーなスタイル、ショートボブが明るく活発な印象で、年齢よりも若々しい。
ユキさんが既婚者合コンに参加したきっかけを訊いてみた。
「学生時代の親友・アサコ(仮名・39歳主婦)に誘われたのがきっかけです。お互いの過去の恋愛も熟知する仲で、家族ぐるみのお付き合い。
以前からアサコは『女って損よね。男は年をとっても渋さという強みができるけど、女は若さが大事』と言っていたので、女として焦りを感じているのかなと思いました」
ユキさんは続ける。
「結婚して15年、家族3人で暮らしていますが、私もふと『自分は女としてもう賞味期限切れなのかな』という焦燥感がありました。
外資系の半導体メーカーに勤める夫は、海外出張や深夜のリモート会議も多く、自宅にいる時も自室に閉じこもりきり。私を女として見てくれず、夫婦らしい会話はありません。もちろん夫婦生活はナシ。
そんな時に合コンの誘いを受けたので、これもご縁かなとちょっとワクワクしましたね。ヨガのレッスンは女性ばかりで、夫以外の男性と交流したい気持ちがあったのと、自分はまだ女としての価値があるかを確認したかったんです。
こんなこと言ったら、母親失格ですかね?」
いよいよ既婚者合コン当日となった。