「話を聞いたお義父さんは大笑いした後、『なっさけねえなあ春斗、男だろうが』と言いました。お義母さんも変なものを見るような目で僕を見て、『ねえ、そのくらいやってあげてよ』と」
妻は場のムードを借りて親を味方につけて、今後の虫退治は春斗さんが担うという約束を取り付けようと躍起になった。
「みんなで僕をからかい、義両親は『虫なんて怖くない、人間が一番怖い』とか全然関係ないこととか言ってくるので、僕腹が立っちゃって。お酒をいただいていたこともあって、ちょっと怒ってしまいました。そしたら場が凄い雰囲気になって……もう最悪です」
平等にしなければと思って家事を頑張っていても、それ以外の場面では理不尽に「男だろ?」と言われることに、春斗さんは合点がいかない。
虫の季節はまだまだ続く。
春斗さん夫婦が今後も虫に出くわすたびに互いを罵り合ってしまわないよう、上手に役割分担できることを願うばかりだ。
取材/文 中小林亜紀
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