妻は、正論は正論としてある一方で、女が男に「守ってほしい」「自分のために戦ってほしい」と望む気持ちは理屈ではない、とのたまった。
「妻は話していくうちに、どんどん図に乗りました。
両親に結婚の挨拶をする時、彼女の父親から『娘を頼むね』と言われて力強く『はい』と答えたのはどこの誰なの、と見当違いな質問をしてきたんです。関係ねーし。お義父さんに対して、妻を虫から守ると約束した覚えは一切ないです」
春斗さんはあきれて物が言えなかった。
結局のところ、妻は自分が楽をしたいだけ、イヤなことを避けたいだけではないかと怒りが湧き、その時も激しい口論になってしまったのだとか。
「最悪だったのが、少し前に義実家へ行って晩飯をごちそうになった時です。その時リビングの床にクモを見つけちゃって、僕と妻がわあわあ言ってたら、お義父さんが素手でつまんで外に出したんです。僕と妻は拍手喝采しました」
その後の食事の席で妻は、春斗さんは虫が苦手であり、虫の種類や大きさによっては遭遇すると泣いてしまうという話を面白おかしくし始めたのだという。
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