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【後編】「『休み』なんて、ありませんけど……?」生徒指導に部活動、入試準備まで……仕事に追われる高校教員の、心休まらない「夏休み」事情。

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私立の進学校に勤務する夏樹さん(仮名)28歳はまた、全く違った理由で忙しい。

「夏休みは、休む期間ではありません。受験の山場は夏ですから、ひたすら補習を重ねる日々になるので生徒もわれわれも大変です。うちは『予備校の必要ない私立』と銘打ってしまっている高校なので、予備校くらいたくさんの講座を開設して、予備校くらいのレベルの講義をして、生徒たちをできるだけ多く、有名大学へ送り込まなければならない。しかも、最近は大学入試の情報がどんどん更新される上に、『推薦入試』のパターンがかなり増えています。だからそこの情報収集もし続けなければならないし……。神経をとがらせる毎日になりますね……」

©︎gettyimages

夏樹さんは数学の指導をしている上に高校3年生の担任でもあり、進路指導室に所属する進路指導部員でもある。

「学校内の部署の話って、ご存じない方が多いのでしょうけれど、進路指導部というのは、その名の通り、生徒たちの進路に関する業務を一手に引き受ける部署です。もちろん担任の先生方と協力しますし、学校によって業務内容にいくらかの差はあると思いますが、大学の入試情報を取りまとめるのも、それをどのように提示するのかを取り計らうのも、また模擬試験の手配や取り扱いなどもすべて進路指導部の仕事であることが多いです」

一気にそう話す夏樹さんは、『進学校』と呼ばれる私立高校の教員であるため、進路指導部員としての責務もかなり重い。

「他校がどうなのかはわかりませんが、うちの学校は模擬試験後の結果を受けて、どのように生徒の点数を上げていくかという反省会や分析会を行います。その際私は、自分の担当クラスの分析を行うだけでなく、教科担当者として総合的に分析して『弱い』『点数がとれていない』と判断できる教科の先生方に対応をお願いしなければいけない立場です。具体的に言うと『授業方法の改善』と『補習等の増加』のお願いになるので、嫌な顔をされることも多くて……。特に年配の先生方には『おまえに何がわかるんだ』というようなことや、『何でも点数だけで判断するな』というようなことを言われてしまいます。でも、夏休み明けにも模擬試験があって、その結果によって志望校を変更する生徒も出てくるので、とにかく生徒たちの成績が上がるように様々な手配をして、手を尽くすのが私の役目。苦しいですが、頑張るしかないです」

夏樹さんの決意は固いようだ。



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