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【後編】「『休み』なんて、ありませんけど……?」生徒指導に部活動、入試準備まで……仕事に追われる高校教員の、心休まらない「夏休み」事情。

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「補習は人任せで自分は拒否、担任を持たなければ保護者懇談会はなし、研修会には参加せず、教科研究会もしないなんて先生は、実は存在しています。言いたくありませんが、教員によっては、そうすることが現在でも可能なのです。逆に、部活動が忙しくて研修会や研究会に参加できないという先生方や、生徒指導が大変すぎて研修会や研究会に参加できないという先生方もいますよ。」

そう話すのは、由佳さん(仮名)42歳だ。彼女は都内のいわゆる「指導困難校」と呼ばれる学校に勤めている。

「夏になると生徒たちはどうしても『学校から解放された』という気持ちになるのでしょうね。部活動をするために学校に通学する子どもたちが、校則違反をしはじめます。また、SNSなどの利用も普段は学校で口うるさく言われていて気をつけていたのに、夏休みになったとたんに気を抜いて炎上騒ぎを起こしたり、SNS上で知り合った知らない人に会いに行ってしまったりしがちです。部活動をしていない子は、朝から晩までアルバイトをするようになって、バイト先で知り合った大人と飲酒や喫煙をしてしまうこともあるし……。夏休みこそ生徒指導が増えて本当に大変です。最近はアルバイトにしろ、校則違反にしろ親御さんが認めてしまっているというケースが多くて。注意すると『親はいいって言っている』という子が多いし、ご自宅に連絡をすると『まあ、夏休みなので楽しんでいてもいいかなと思いました。二学期からはちゃんとさせるので、別にいいですよね?』なんておっしゃられることもしばしば。『夏休みなんだから自由じゃないんですか?』と半ば逆ギレのような対応をされる保護者の方もいるのでこちらもなぜ指導しているのかがわからなくなってしまいます。こういうとき、上層部が守ってくれたらいいのですが、うちの校長や教頭は『とにかく穏便に』というタイプなので保護者の方や生徒に強く言えないというのもあって、夏休みになるのが本当に気が重くて……」

由佳さんはため息をついた後、少しだけ笑ってこう言った。

「でも、同じような長期休みでも、冬休みは、なぜか夏休みほどの問題は起きません。やっぱり夏ってなんだか解放的になるのでしょうか」



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