「2019年の春、新卒で就職で上京して。社内で一番忙しい営業の部署に配属されて。一年間は頑張ったんですけど、しんどくて毎日泣いていて。彼氏も出来ないし、エッチなこと、全然できてないなって。だから自分の誕生日くらいはイケメンと過ごしたいって思ったんです」
すらりとした長身にくっきりとした目鼻立ち。モデルかと見紛うルックスながら、よく笑う親しみやすい雰囲気の池田優那さん(仮名・25歳・会社員)に女風に行き始めたキッカケを尋ねると、ケラケラと笑いながら言った。
これまでに付き合った男性の人数は2人いずれも三か月未満の短い間だったというが、出会い系アプリで出会った人や、大学の先輩などと「一丁前にセックスだけはしてきた」と優那さんはいう。だが、東京に出てきて以来、まったく出会いもなく、ふと潤いが欲しいと考えた23歳の誕生日、学生時代に観た『娼年』という映画のことを思い出した。
『娼年』は石田衣良の小説を、劇団ポツドールの三浦大輔が監督して映像化したもので、松坂桃季演じる主人公が男娼となり、女性との関わりを通じて成長していく姿が描かれている。これまでにあまり取り上げられることのなかった女性用風俗をテーマにしたことと、松坂の潔い脱ぎっぷり、過激な性描写で、女性たちを中心に話題となった作品だ。この作品を通じて女性用風俗、通称女風の存在を知ったという女性も少なくない。
「誕生日の三日くらい前から、インターネットでいろいろ調べて。で、Yってお店のナンバーワインの人が、顔もカッコいいし口コミにはエッチが上手って書かれてるしでいいなって思って、誕生日当日に予約の電話をしたんですけど、23時まで空いてないって言われちゃって。代わりにいま、何人か空いてる人がいるので、その中から選ぶのはいかがですかって勧められたんです」
彼女が指名しようとしたナンバーワンは指名できず。そして彼女が選んだのは? 後編に続きます。
Text:大泉りか
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