彼とはその後、会っているのだろうか。
「月に2度のお話し会は半休を取って続けているのでそこで会うのと、月に1度ヘアメンテナンスに行っているのでそこで。最近はメンテナンスの後に食事に行ったり、美術館や映画に行くこともあります。
プラトニックな関係ですよ、今はまだ。もしそうなるとしたら、きちんと夫と別れてから。ワタルくんのこともありますし」
平塚氏はこう話す。
「熟年離婚というと50代以降の話と捉える人が多いようですが、昨今、20年以上連れ添った40代の離婚を耳にする機会が増えてきたように感じます。40代であれば、体力的にも人生をリスタートしやすいですしね。人生100年時代と叫ばれるようになったことも、決意を後押しする要因になっているのかもしれません」
確かに、人生100年のうち、70年も同じ人と一緒にいられる方が奇跡にも思える。
「専業主婦だからとか、自分は何もできないからと思っていた自分を変えることができて本当によかったと思っています。いつからでもやり直せる、今は心からそう言うことができます。夫は私が離婚したいと思っているなんて気がついていないかもしれませんけど」
確かに。言われるまでまるで気がつかないケースもありそうだ。
夫婦の間で感謝を伝え合っているか、そして愛を確かめ合っているか……そう問われて「Yes」と即答できない人も多いことだろう。
人生100年時代、もしかしたら多くの人に熟年離婚の影が迫っているのかもしれない。
取材/文 悠木律
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