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【後編】「もう限界……」現場の教師の悲鳴 増え続ける外国籍学生への日本語指導の実態

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公立高校勤務の夏子さんは言う。

「支援をしようと思っているのに、生徒や生徒の保護者側が『特に日本語を学ぶ必要はない』と考えている場合は日本語指導はできません。なにをもってして『この子は日本語指導が必要な生徒だ』と決めるのかというラインもあいまいで……。

本人や保護者の方が希望すれば支援すべきだという認識の先生方が多いのですが、私は『今は必要ないと考えているけれど、後からやっぱり支援してもらえばよかったと思うような状況』を生み出さないためにもしっかりした基準を設けて、日本語指導が必要な生徒を支援していくべきだと思っています。

余分な業務が増えることになるので、日本語指導が必要な生徒を避ける先生も多いし、彼らの相手をするのは私だと決めてかかっている先生も多い。

でも私はそう言う先生方には、日本語指導が必要なのかどうかということよりも先に、彼らもあなたの生徒なんですよ、ということをお伝えしています。そしてまた、彼らにとっては、皆さんが先生なんですって。

嫌な顔をなさる先生も多いし、『自分が大変だから、周りにその仕事を割り振りたいだけでしょう?』なんてことをおっしゃる先生もいます。

でも日本語指導が必要な生徒たちはみんな、そういう先生方のことも『○○先生が今日数学のこういう式を教えてくれてね』って、先生として慕っているし、自分に物事を教えてくれる人だと信じている。

だから避けようとしないでほしいというのが、今のところ私の一番の願いかもしれません。『よくわからないけど、ややこしそう』なんて言い方をしないでやってほしい。」

彼女の言葉は、切実だった。

取材/文 八幡那由多



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