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LIFESTYLE 女たちの事件簿

【後編】「評価基準?適当につければいいよ」「新しい評価基準」で増える仕事と問題に現場の不満噴出。

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「試験問題を分けるだけでは意味がないと考えて、授業時間に大学で問われるような答えの出ない数学の問題を課題として出しました。答えを出すためにどれだけの思考を重ねるか、また、思考したことをどのように表現するかをはかるための課題でした。

でも、その課題でどうABCの評価を分けるのかと考えた時に、明確な基準が設けられなくて…結局提出しているかいないかで「主体的な学習への態度」があるかどうかの判断材料にしてしまいました」


理恵子さんはそう言って肩を落とす。

「そもそも、「主体的な学習への態度」というのも判断の難しい項目ですよね。授業中に寝てしまう子や、授業の準備をしてこないなどの目立った問題のある子は簡単にC評価だと判断できますけど、それ以外の子どもたちをA評価とB評価にどうやって分けるべきなのかがわからない。

『私はすごく良く頑張っています!』という主張ばかりが強い子がA評価で、自己主張はしないけれど一生懸命真面目に取り組んでいる子は目立たないからB評価なんてことになったら、おかしいですよねえ?BとAの間にどれほどの差があって、どう判断すればいいのかもかなり悩ましいのです。

わかりやすくアピールすればA評価と言うのもなんだか違う気がして……私はかなり「主体的な学習への態度」についても悩んでしまっています。

『提出物を課して、期限通りにきちんとした内容のものをだせばA、期限を少し過ぎたり提出していても少し欠けているものがあったりすればB、提出しなければCにすればいい』と仰る先生も多いのですけど、『提出するの面倒だし、Cつけたいならつけたらいいじゃん』みたいな生徒には、かえって適切な指導にはならないと私は思います。

提出物は出すべきもの、出さないなんてありえないという指導をせずに、『出すか出さないかで評価が変わりますよ』と伝えるのは何か違う……と思うのですけど……。私の考え方が甘いのでしょうか。

評価を前にぶら下げて何かをさせる感じになってしまうし、なんだか先生がいいと思えばAなんでしょうみたいに生徒が思っているのも違う気がする。観点別評価は、どうすると正解になるのか、本当にどこの誰でもいいから教えてほしいです」


理恵子さんは教員生活で今が一番悩んでいるとこぼす。



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