前編あらすじ)今回の記録的豪雨で被災したMさんとKさん。Mさんは、大雨の予報が出ていたにもかかわらず、小学校が休校にならず、孫を登校させることに疑問を感じました。
一方、Kさんは、自身と夫が仕事に行かなければならなかったため、子供の中学校の休校措置がなかったことに不満を持っています。また、中学校からの連絡も二転三転し、下校時間が変更されたことも疑問。さらに、突然学校から「迎えに来れる保護者は迎えに来て欲しい」旨の連絡を受け、さらに不信感を増したと言います。
「仕事中だったし、うちはとても間に合わないから、娘は徒歩で帰宅しました。心配で気が気じゃなかったです」
Kさんのお子さんの帰宅時は風雨ともに激しく、傘を閉じる必要があったという。娘さんは全身ズブ濡れとなり、通学カバンも水浸しになってしまった。何より、近隣の川では水位が急上昇していて、状況はきわめて危険だったという。
「うちの娘は仲良しのお友達と2人で励まし合いながら、恐怖に震えて帰ったんです。だったら、親が迎えに行くまで学校に留め置いてくれてもいいじゃありませんか。
そもそも、娘たちが下校した時間よりも30分も前に、すでに避難指示は出ていたんですよ。避難が必要な状況で授業やったり下校させたりするなんて明らかにおかしい」
お話を伺った日、Kさんは近所で浸水被害を受けた知人宅の片付けを手伝ってきたばかりだ。明日も手伝いを行い、それが一段落したら教育委員会に電話をかけるつもりでいる。
「友人が市内で教員をやっているんですが、やはりそこの学校も今回休校にならなかったそうで、友達自身もおかしいと言っています。教育委員会は指示や命令をしないそうで、現場判断でお願いしますという話だったらしいんです」
責任回避のための便利な言葉としてしばしば登場する「現場判断」という言葉。各所であらゆる人々を困らせる恐怖のワードだ。