「ちょっと調べてみたんですよ、その店をネットで。大手レストラン検索サイトには美味しいと言うものは少なく、『店員がやばい』とか、『味はいいけど、汚い』とかそういう否定的なコメントの方が多かったですね。私も怒りが収まらなかったのでもちろんあげちゃいました。もちろん匿名ですけど。異物混入なのに謝らない上に、支払いも満額なんてありえないと。それから頼んでもないワインのお金まで請求されたってね。裏垢のTwitterでは、写真付きでアップしちゃいましたよ」
次の日、Twitterはバズるまではいかないもののコメントが40件もついていたという。
「もしかしたら、じきににバズるかもしれないですよね。今もコメントが増えているんで。そうなればいいのに。いい気味ですよ、ほんと」
実際に東京福祉保健局の統計によると令和2年に報告された苦情のうち、およそ1割強が異物混入によるもので、虫の混入に次いでビニールなどの合成樹脂の混入が多かったという。
実際こういった異物混入などが怒った場合に、ネットで拡散されることは今一番、店や企業側が恐れることである。バズってしまったら最後、最悪の場合営業停止に追い込まれかねない。実際にこのみの発信がバズらないとは言い切れないし、もしかしたらこの取材の後に大炎上を招いているかもしれない。
人間の手で行っている以上、どうしても起こりうる異物混入。起こらないように衛生管理を徹底することはもちろんだが、まずは誠意を持って謝る、その姿勢が必要ではないだろうか。もちろんネットの情報がすべてではない。しかし普段行かないお店を訪れるときには下調べをしていくほうが、無難なのかもしれない。
取材・文 悠木律
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