【前編あらすじ】
CAから高級クラブのママを経て作家となった筆者が、「高収入かつ仕事ができる男性」を独自の切り口で分析してきた。
前回は「肉体を鍛える」「感情のコントロールができる」「主治医・弁護士・パーソナルスタイリストがいる」「時間と金を賢く天秤にかける」の4点を挙げた。
今回はリッチな男性、デキる男性の行動と思考パターンに迫ってみた。
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⑤値切らない
高級クラブは「美しくドレスアップしたホステスと酒とトークを楽しむ」紳士の社交場だ。ほとんどのお客様が紹介制で、一見の客は入れない。店にもよるが、座って約3万円、ボトルを入れれば約5~8万円かかる空間は、シャンデリアが輝き、ピアノの生演奏も楽しめて非日常を味わえる。
しかし、その付加価値を全く理解できない方に出会うことがまれにある。
とある40代のお客様に会計伝票を持っていった際、「悪いけど、もう少し安くならない?」と言われ、筆者は呆気に取られた。原則、夜のクラブでの値切りはご法度だ。夜の遊び方を知らないんだと落胆した。
一方で、高収入なエリートほど支払いがスマート。こちらが提示した料金にうなずき、カードをサッと出してくれる。領収書が必要な場合、名刺を出し『宛名はこれで』とひと言。すべてにおいて無駄がない。
そして、ホステスをアフターに誘う時は、タクシー代を負担してくれる。「なぜ、飲み代の他に、タクシー代も払うの?」と不思議に思うかもしれないが、これは夜の遊びの基本中の基本。ホステスたちは送迎の車を断って、アフターに来ている。だから、1人のホステスに対して5000円~1万円。景気のいい男性は2万円ほどくれるのだ。筆者はママだったので「私は要りませんから、次回またいらしてくださいね」とリピートをしてもらう約束をすることが多かった。
見栄を張らない等身大の男性は素晴らしい。しかし、夜のクラブにおいて「値切りは無粋」と覚えてほしい。