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「契約と違う家が建つなんて…」ホラ吹き営業に、図面と違う家。一生後悔する欠陥住宅を掴まないための「鉄則」

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「あの声で とかげをくらうか ほととぎす」 この世の森羅万象のウラ側を、FORZA STYLEの取材班が徹底取材。あなたの暮らしを守る、独自レポート。

生涯に2軒、3軒と家を手に入れることができる人はほとんどいない。多くの人にとって、家は一生に一度の買い物である。そんな重大な買い物であるにもかかわらず、よく調べることなく購入した結果、欠陥住宅だった……そんなケースが後を絶たないことが、前回の岩山健一さんへの取材で明らかになった。

日本建築検査研究所の岩山さんは一級建築士であり、24年に渡り、欠陥住宅の検査に当たってきた業界の第一人者だ。3000件を超える欠陥住宅をその目で目撃し、住宅メーカーやディベロッパーを相手取り、依頼者が起こした裁判に協力裁判を起こしたことも多数。ひどく、ずさんな工事が行われている現状に警笛を鳴らす人物である。

今回は、そんな岩山さんにこれから家を手に入れる人たちに向けて、購入の際、特に注意すべき点について話をうかがっていこう。

ⒸGetty Images

「前回もお話しましたが、戸建ての場合はとにかく“あと出せパー”には気をつけろ!ですね。住宅ハウスメーカー大手5社の頭文字をとって、私たちが呼んでいる相性です。日々、この5社で家を建てた人から私のところに依頼がくるのですが、私の知る限り、見てきた限りにおいて欠陥住宅の宝庫。

何よりまずいのは、住宅建築の基本である構造計算をせずに家が建てられるそのシステムです。型式適合認定制度というものですが、これは高度経済成長期、とにかく数を建てるために作られたものであり、今の時代にはそぐわないものだと私は考えています」

構造計算をしてくださいと頼むことはできないのだろうか。

「もちろんできますよ、しかし間違いなくNGとなるはずです。ただ、このような大手で家を建てる場合、施主が対面するのはそのほとんどが営業マンです。そもそも彼らは自社の家に対して、絶対的な自信を持っているように振る舞います。巧みな言葉で家のメリットをこれでもか、と施主に突きつけます。その結果、多くの施主は言いくるめられてしまうのです」

家を建てる知識のまったくない初心者と、酸いも甘いも嚙み分ける営業マンでは、議論にもならないケースが多数だ。

「まぁ、彼らにとっても仕事ですからね。なんとしてでも契約を取ってこいと言われているのかもしれません。とはいえ、詐欺とみまごう嘘を吐く輩もいますから注意が必要です。

例えば、先日あった事例をひとつ、お話ししましょう。中央線沿いのとある人気駅の商店街に家を建てたAさんは、契約とまるで異なる家を手に入れることになってしまったんです」

契約とまるで違う家とは、一体どんなものなのだろうか?

「彼はそもそも4階建ての家を希望していました。大手5社を含む複数の住宅メーカーに相談をし、それぞれからプランをもらったそうです。最終的に唯一、4階建てのプランを出してきた大手住宅メーカーに施工を依頼することにしました」

複数の住宅メーカーにそれぞれ、プランを出してもらうことはいいことだと岩山さんは話す。

「ただし、住宅展示場などまとまったところで話を聞いたり、プランを出してもらうのはおすすめしません。裏で手を組んでいたり、相談をされている場合もありますから。ただ、見比べることは必要です。一生の買い物ですから、易々と決めず、納得するまで徹底して話をすることが重要です。

さらに今回のように1社だけが異なるプランを出してきた場合も注意が必要。だって、ほとんどの会社が4階建ては無理と言っているのに、どうしてその1社だけが可能なのか気になりませんか?」

たしかに。結局Aさんは、どうなってしまったのだろう。

次回「1社だけに可能と提案されたカラクリ」と、そこに潜む罠について詳報する。さらに、大手住宅メーカーに依頼する際のデメリットにも触れていきたい。

▶︎後編に続く


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