おそらく、ドアを閉めたかったのだろう。しかし、木片は先の方が挟まったままになり、運良く、まだドアは3cmほど開いたままの状態だった。
そこで、間髪入れずにもう一度、ドアの内側に向かって声をかけた。
「太田さんの叔母様の遺産相続に関する大切なお話なんです。少しだけでも、お話を聞いていただけないでしょうか?」
すると、いきなりドアのチェーンが勢いよく開けられたかと思いきや、ドアの内側から太田氏が右手に包丁を持って現れた。
「台湾なんて関係ない! 帰れ!」
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