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LIFESTYLE 女たちの事件簿

「教職もないクセに…」「生徒を全然見ていない」ブラック部活ですれ違う、外部指導員と教員の「埋まらない溝」

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教員が「どんなブラック企業よりもブラックだ」と言われる理由の1つに、部活指導がある。

担任業務や生活指導、教科指導に加え、部活指導まで含まれてくると、平日は夜8時まで、休日は全く無し……なんて先生がいるのも事実。

そこで、改善策として2017年頃に「部活指導員」や「外部指導員」に部活の指導を任せようという制度が生まれた。

部活指導員というのは、「学校の教育計画に基づき、(中略)部活動において、校長の監督を受け、技術的な指導に従事する(学校教育法施行規則の一部を改正する省令の施行について 2017年3月14日)」という立場の人のこと。

外部指導員がボランティア的な役割であるのに対し、部活指導員は学校の職員として採用され、給与が支給される。また引率や部活動の会計を管理する権限も有するのだそう。その代わり責任も教員と同等のものを背負うことになり、各都道府県教育委員会が定めた研修を受ける必要も生じるのだ。

多忙な教員に代わり、外部から部活指導のための人員を募る「部活指導員」制度。教師にとっても学生にとってもwin-winな制度だと思われたが、現実ではあまり上手くいかないケースも多いようだ。今回は部活指導員の律子さん(仮名・24歳)と、高校教師の健司さん(仮名・40歳)に、それぞれの立場から「部活指導員」にまつわるエピソードを聞くことができた。

・・・・・・・・・・・・・・・

「私は確かに、学校の先生じゃないし、教員免許も持っていません。でも、『この学校の新体操部を全国大会に導いてください』と言われて部活指導員になったので、その夢を叶えたいと思っています。そのために部員たちとしっかりコミュニケーションをとって、出勤しない日も連絡を取っていました。部員が全員同性だったので連絡先を教えあって、たわいないメールにも返信しつつ距離を縮めて……そもそも彼女たちにも上手になりたいという気持ちがあったので、結構すぐに懐いてくれたと思います。でも、先生方はそれが気に入らなかったみたいで」

そう言って律子さんは口を尖らせた。

「私が新体操部の子たちと距離を縮めれば縮めるほどに、担任の先生や教科担当の先生方の話を聞かなくなったって、校長先生に呼び出されて言われました。私は別に、学校の悪口や先生方の悪口は言っていません。

子どもたちと親しくなって、彼女たちの新体操の技術を磨こうとしただけです。もちろん、競技に取り組み人前で演技をする上で必要なメンタル教育もしましたよ。でもそのことが、学校教育の妨げになるっていうのはおかしいと思いません? 彼女たちの担任だっていう先生方にもお会いしましたけど、私をどこか馬鹿にしている雰囲気で、とても嫌だった」

「『ずっと生徒と関わっているわけじゃないから、あなたには難しいかもしれませんけど、新体操部の子どもたちには裏表があります。あなたの前では、あなたみたいな綺麗なお姉さんに憧れて、いい子のそぶりをしているでしょうけど、彼女たちは、するべき課題に取り組まず、校則もよく破ります。そんな良くない方向に進みがちな彼女たちと同調して、一緒に仲良くするといった態度では困るのよ。あなたも、大人でしょ? わからないかしら?』と言われて、正直イラっとしました。校則を破りたいと思う理由や、課題に取り組まない理由をきちんと聞いてあげているのかな、この先生ってという気持ちにもなりました」

律子さんの言い分はもっともだ。しかし、担任の先生方との話し合いで、律子さんが彼らに同調するような態度を見せなかったせいか、律子さんと先生方の溝は深まった。



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