あかねさんは終わりが見えない娘の黄昏泣きに「泣きやむのを怒鳴りながら待つ」という対処しかできなくなっていた。いつからか、窓を開け放していても躊躇いなく大声が出るようになった。
「もちろん、おむつを替えたりおっぱいをあげたり、お腹が張っていないかなと調べたり、そういう基本のことは一通りやってみるんですよ。でも、大体何やっても泣きやまないんです。諦めの境地ですよね。だからただ大声で文句を言いながら、泣き終わるのを待つしかありません」
いつまでこんな日々が続くのかと気が遠くなっていたある日、仕事から帰宅した夫がこんなことを言い出したという。
「凄く聞きにくいんだけど、娘に虐待してないよねって帰るなり言われました。その瞬間、自分がどんな顔をしたのか想像すると怖いです。いつも後ろめたさを感じながら怒鳴っていたので。でも、その頃には怒鳴ることはほぼストレス発散のためだという自覚があったので、どう答えたらいいのか返事に困りました。ただ、すぐに疑問も湧きました。なんでそんなことを言い出すのかなって」
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