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LIFESTYLE 女たちの事件簿

【後編】部活指導員と採用する学校。こうも対立するのはなぜなのか?

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「部活だけというのは羨ましい話ですよね。部活だけしか見ないから、部活動に来る子どもたちの気持ちを掌握できるし、彼らとしっかり向き合ってやることができる。それができるなら、僕たちだってそうしたい。でも、他にもたくさん業務があるから、僕たち教員は部活指導員さんたちほどの向き合い方を子どもたちにしてあげることはできていない。それにね、自分から望んで入部した部活動に取り組む子どもたちは、当然のことですけど、したくもない教科の授業を受けている時やされたくもない生活指導を受けている時よりもきらきらしていて可愛らしい。部活だけを指導するって言うのは、いわばいいとこ取りみたいな、そんな感じがしてしまいます」

高校教師の健司さんはそうこぼす。

「わかっていますよ、部活指導員としてきたからには、指導するチームを優勝に導かなければいけないというようなそういうプレッシャーがあることや、雇用形態が不安定で十分な給与が支払われているとは言えないだろうということも。でも、なんだかうらやましいなあという気持ちは消せませんでした」

それが健司さんのというよりも、多くの教員の本音だろう。

健司さんが顧問をしているサッカー部に部活指導員としてやってきた青年は元jリーガーで、テクニック指導もメンタルトレーニングも申し分のないものだった。生徒たちの中ではカリスマのようにあがめられ、サッカー部ではない生徒たちも、その部活指導員と挨拶をしただけで浮かれるほどだった。

©Getty Images

「はじめはまあ、よかったんですそれで。子どもたちは喜んでいるし、部活指導員の方はいい人だし。でもなんだか、その人の指導を受けているということで『自分たちは特別だ』みたいな意識をサッカー部員たちが持つようになって……。学校の先生たちの言うことを聞かなくなり、周囲の生徒に横暴な態度をとるようになったんです」



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