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LIFESTYLE 女たちの事件簿

【後編】空き家の実家がジャングル化→びわの木から大量の虫が。40代姉妹が直面した「あまりに厄介な事態」

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「急いで売却なんてできないと私は思います。だって、まだ何も手をつけてないんですよ。解体屋さんに見積もり依頼もしていません。大体、建物と庭の解体を両方頼んだとして、いくらかかるかわかったものじゃないですよ。空き家の解体には補助金が出るようですが、うちの自治体では補助の上限が確か20万でほぼ自腹になります。だいたい、家は床面積のうち店舗の占める割合が大きいので、補助対象にならないかもしれないんです」

空き家解体に出してもらえる補助金の要件・条件は、自治体によって異なるらしい。利律子さんの意見に対し、佐和子さんはこう反論した。

「土地活用なんて言ったって、いずれにしてもお庭の解体や整地から駐車場の設置工事まで大金をかけなくちゃいけないことに変わりありません。どっちにしたって費用はかかるんです。かつて商店が多かったとはいえ、空き家ばっかりのシャッター街で月極め駐車場やコインパーキングなんか造っても、絶対稼げないと思うんです」

姉妹は結論を出せず、2人同時にため息をついた。

「私たち、お金の心配や金策のことしか頭にない、ダメな娘ですね。生涯働き詰めだった両親のささやかな楽しみだった大事な庭木を何のためらいもなく切り落とそうとしているし、土地をお金に換える話ばかり。罰あたりです」

利律子さんが泣きそうな顔でそう呟いた。すると、佐和子さんは怒りを露わにしてこう語った。



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