【前編あらすじ】
お姫様気質でサボり癖の目立つコンビニアルバイト・山下瑠璃(仮名・20歳)。ある時から同じコンビニの男性スタッフに好意を寄せるようになるが、そのスタッフは瑠璃の友人と付き合い始めることに。それを知った彼女はある行動に出る……。
友人が男性スタッフを付き合うことを知ってから、山下さんは急に態度が変わるようになったという。その男性スタッフの悪口をみんなに言うようになったのだ。
「あんな奴のどこがいいの? 顔ブサイクじゃん」
「あいつ彼女いるくせにこの前女の子としゃべってたよ。絶対脈ありだったし、まじでありえない」
「〇〇(男性スタッフの名前)仕事しょっちゅうサボってる。まじで一緒に入りたくないよ」
そんな感じで悪口を周りに言いまくっていたのだが、そのほとんどは嫉妬から生まれたウソだったらしい。そして周囲もそれを信じることはなかった。なぜなら仕事をサボっていたのはむしろ山下さんの方で、はたから見ればそれは明らかだったからだ。
夏休みになると山下さんは店長にお願いして、もっと稼ぎたいからもっとシフトに入りたいと伝えた。しかし当日になって「急に学校の行事が入った」「用事が出来た」とシフトを休む事も多かった。
「ごめん! 明日遊びに行くことになって! バイト代わりに入ってくれない?」
山下さんは友人の女性に、しょっちゅうLINEを送るようになった。友人の女性にとっては、とても迷惑な話だ。
「友人の恋愛相談にも乗っていた山下さんは、男性スタッフと友人のデートの日をほぼ把握していました。どうもデートの日を狙ってシフトを休み、友人の女の子を呼び出していたみたいなんです。その子もしぶしぶOKしてましたが、山下さんの嫌がらせなのはなんとなく分かってたみたいですよ」
悪口や嫌がらせをしていた山下さんだが、それを見ていた周囲の視線は冷たくなるばかりだった。当然だがやればやるほど山下さんの立場は悪くなっていったようだ。その結果、山下さんはどんどん孤独な立場に追いやられてしまったという。