■持てる技術を全てぶち込んだ、ハイテクオフロードマシン
「911ダカール」は、911カレラの4WDモデルをベースに、オフロードでの高い走破性を狙ったスペシャルモデルだ。「世界で最も過酷なレース」といわれ、クルマの究極の耐久性が試されるレースであるダカールラリー出場も想定して開発されているだけに、ラリー競技で重要となるパフォーマンス、革新的なテクノロジー、耐久性を持ち合わせ、グラベル走行だけでなく、ターマック走行も最高のパフォーマンスを発揮できると、ポルシェは自信満々だ。
注目のポイントは、「911カレラ」のスポーツサス仕様と比べ、車高を50mmリフトアップした足回りだ。ここからさらに、911ダカール用に専用開発したリフトシステムによって、フロントとリアをさらに30mm上昇でき、最大で80mmも地上高を増やすことができる(ただし170km/hを超えると50mmプラスの車高に戻る仕組み)。
他にも「スポーツクロノパッケージ」には、911ダカール用に開発した、グラベル/マッド/ウエットグラスに対応する「ラリーモード」と、砂丘や大きな石だらけの苛酷なルートに挑む「オフロードモード」の2つの走行モードが備わる。さらには、乾燥地帯の砂地のような緩い場所でのラリーステージで最適な発進加速ができる、「ラリーローンチコントロール」も備わる。
エンジンは、排気量3.0Lの水平対向6気筒ツインターボ。最高出力353kW/480PS、最大トルク570Nmを発揮し、8速ポルシェドッペルクップルング (PDK)を組み合わせ、駆動方式は4WDのみ。0-100km/h加速は3.4秒、最高速度は240km/hというハイパフォーマンスだ。リアアクスルステアリングと、PDCCアクティブロールスタビライザーといった最新デバイスも搭載するなど、ポルシェの持てる技術を全てぶち込んだ、ハイテクオフロードマシンに仕上がっている。