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【前編】「税理士が認知症?」高齢化社会が直面している「おぞましい暗部」

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「うちはね、親父の代からずっと立花さんに、確定申告とか経理関係はお願いしてるんだよ」と、北澤氏が言った。

「実際に立花税理士とお会いして、やりとりとかされているんですか?」私が尋ねると、北澤氏は、こう答えた。

「もう、ここ何年かは、連絡とか、書類の受け渡しとかは、全部『鵜飼さん』という人がやってるよ。立花さんには、もう随分お会いしてないな」  

長浜さんと後輩調査員はどちらも女性だからか、アプローチの仕方次第では全く警戒されず、結果的に個人情報を教えてもらえる事も多い。この時も頼み込んで、北澤氏から、鵜飼氏に電話を取り次いでもらい、本人の承諾を得た上で、電話番号を入手した。

まずは、鵜飼氏が何者かを把握するための調査を行った。その結果、鵜飼氏が、地元の名家の二男坊であることが判った。鵜飼家は、祖父の代から地元で医院を開業しており、父親と兄、弟が全員医者であった。鵜飼氏だけが医師免許を持っておらず、行政書士免許を取得し、同じく地元で、行政書士事務所を開業していた。また、自治会の役員も長年勤め、地域の活動にも貢献しているようだった。

ただし鵜飼氏が、税理士資格や公認会計士の資格を取得している事実はなく、また、立花税理士事務所の職員である記録もない。それどころか、立花税理士と繋がるような情報も出てこない。かといって、鵜飼氏に電話で聞き込みをしたところで、立花氏が認知症を患っていると証言してもらうのは、ほぼ不可能に思われた。

Text:探偵 こころたまき

▶︎【後編はこちら】八方塞がりの長浜さんが取った行動とは……?


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