「別の日、舅と一緒にもう一度謝りに来てくれた時があったんです。就職して働いているという報告でした。名刺と給料明細を持ってきてくれました。泣きながら両親と私の前で土下座して謝ってくれる様子を見ていて、もう一度信じてみようかなって思ったんです」前向きな気持ちになった美紀でしたが、アパートに行って衝撃の光景を目にしたという。
「名刺と給料明細の大きさの紙が部屋に散らばっていたんです。印刷したとみられるプリンターもありました。最悪の光景を想像し、愕然としました。あの涙と土下座はなんだったのか……。実家に帰って、すぐに両親に報告しました。『もらった名刺に電話してみ！』と両親から助言をもらい、電話してみると事務員さんが出ました。でも本人は出ていると言われ、上司や同僚に代わってもらおうとしたのですが、『みんな出ていて誰もいません』と言われてしまったんです」
両親に報告すると、名刺の場所に行って確認することになったそう。「どうか本当であってほしいと願って名刺の住所に行ってみたのですが、残念ながらその場所に会社はありませんでした。あったのは“バーチャルオフィス”だったんです。両親と私の前で見せた涙も噓だったのか……と思いました。両親まで侮辱された気がして、さすがに離婚することにしたんです」
何度も幸人を信じようとした美紀だったが、毎回裏切られる結果となった。信じたい気持ちを抱きつつも、幸人の言葉が本当か確かめ続けた美紀。だからこそ離婚へ踏み切ることができたのだろう。「自分にできる行動を最大限したから、離婚を後悔せず前を向けました」と締めくくった。
ライター：マツノミユ
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