それから２週間後、アパートに戻った美紀。幸人から携帯を見せてもらったのだが、やはり画面上は女の子とやり取りした形跡はなにもない。しかし別の確認方法を試してみると、女の子とのメッセージが確認できたという。やはり幸人は証拠隠滅を図っていたのだ。美紀はこのときもう以前のように夫婦に戻れないかもと感じたという。
幸人の両親には実家に戻ることを伝えた。そして自分の両親には、離婚になるかもと伝え、何があったか聞いてもらったそうだ。そこから実家とアパートを行き来して、自分の荷物を運び出す。バタバタとしていた美紀だったが、落ち着いて実家でゆっくりと過ごしていたところに姑から電話がかかってきたという。美紀と幸人は結婚する３ヶ月前から同棲をスタートさせていたのだが、そのころから幸人は失業中であったことを知らされたのである。
「用事があって幸人の会社に電話したらね、『とっくに辞めています』って言われたのよ。何か知ってる？」寝耳に水の質問に頭が混乱した美紀だったが、冷静さを取り戻すとすべてに納得がいった。つまり幸人は無職、女性たちと遊ぶ時間がたっぷりあったわけだ。
「姑から電話があって２週間後ぐらいだったと思います。義両親と一緒に謝りに来てくれたんです。幸人は泣きながら謝ってくれました。でもその場で舅が幸人をかばったのですが、そのかばい方が……。『美紀さんのことを好きだから浮気をしたんだ』と意味不明なことを言ったんです。どれだけ謝罪してくれても、正当化されると本当に反省してくれているのかと疑ってしまいます」と話す美紀。その日は話し合いにならず、義両親と幸人には帰ってもらったそうだ。
「謝って改めてくれたら関係修復しようと思っていたんです。ところが、これ以降もう離婚するしかないと思う嘘が発覚して……」
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