「刹那的な関係の中にしか、本当の安心は無いと思うようになりました。それで、正社員なのに、夜はファストフードとかカフェとか、職場をコロコロ変えながらバイトを続けてるんです。バイトする先々で若い男の子に近づいて、短い間だけ体の関係を持つようになりました」
その生活をキープしていると、余計なことを考えずに済み、精神的に落ち着くことができたのだと彼女は言った。何か所でアルバイトをしたのかと訊ねると、今アルバイトしているバーで8件目だという。
「一度、回転寿司店でバイトしたんです。そこには大学生がたくさんいましたが、その中で、口がかたそうで真面目な雰囲気の大学3年生がちょうどいいなと思ったんです。世間話をし出して仲良くなったので、また部屋に呼ぶようになりました」
しかし、寝てみると、その大学生はとんでもない手練れだったというのだ。
「言葉攻めにされたり、したこともない体位で凄く気持ち良くされたり……結構ショックでしたよ。気持ちいいならちゃんとそう言わないとわかんないよ、とか耳元で言われて(笑)。
ひと回りも年下の大人しそうな子なので、ギャップに驚いてしまって……人ってわからないものだなと改めて思いましたね」
雅美は、若い男と奔放に交わることで、かつて感じていた性への罪悪感が溶けて消えていく感じが快感だったという。ただし、奔放な生活も順風満帆ではなかった。
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