浮気や不倫の代償は大きいというが、家族が容認しているケースがあるとしたら……。
性欲が強く不特定多数の男性と関係を持ち続けるセックス依存症。欲求不満を解消できなければ生活や仕事にまで支障をきたすこともある。 男女関係のトラブルに詳しい危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏が語る。
「語弊はありますが、ビジネスは生き馬の目を抜く男性的な競争社会です。そこで活躍している女性は、『男勝り』と称されるような、やり手が多い。性愛の面でも、男性顔負けの奔放さを見せる女社長も少なくありません」
好みの男性を見つけると水を得た魚のようにいきいきする。しかし、男性を失うと自ら破滅に突き進む、そんな女社長の末路をFORZA STYLE「ライフ取材班」がレポートする。
・・・・・・・・・・・・・・・
ネイルの資格を持ち、千葉県某市に住む真実(32歳)は新しい職を探していた。就活用に髪を染め直そうと、心機一転、初めてのヘアサロンを予約した。このヘアサロンはカットやカラー以外にもエステ、ネイルなどが利用できる店舗だ。サロンのスタッフは10人。カラーリングの間、女社長でもある陽子(47歳)に就活していることを打ち明けた。
「だったらうちで働けばいいじゃない!」と威勢の良い陽子に促されるまま、あっけなく入社が決まったのだ。
陽子は25歳で結婚し2人の子供を持つ母親。その後30歳で独立。地元に自宅兼店舗を構え、月収100万円は稼ぐ女社長と豪語している人だった。
陽子は接客業ということもあり美意識は高く口達者。少しふくよかな体形で性格は明るく弱音は吐かないといった女社長だ。予約は1か月待ちもあるほど人気のヘアサロン。他人からすれば魅力的な女性に見えたに違いない。
入社すると毎日同じ男性がサロンに出入りしていることに気がついた。その男性は陽子の2歳年上の大輔(44歳)。自営業を営んでおり妻子持ちだという。始めは単なる友人の1人かと思っていたが、詳しく聞けば、陽子と大輔は肉体関係を持っているという。
真実が働き始めてしばらく経っても、相変わらず大輔は毎日のようにサロンに来る。真実が用を足すためにトイレに行った時だった。手を洗うために扉を開けた瞬間、陽子と大輔がキスしている姿が見えた。
ある時は、エステ用のベッドが壊れたとガムテープで補修している時もあった。頑丈なベッドが一晩で壊れるわけがない。おそらく営業終了後にサロンで行為にでも及んでいたのだろう。 別の日は、陽子が「陰部が痛む」といって婦人科に受診した時もあった。腟に炎症が起きていたという。
どうしてこんなにも奔放な生活をしていて家庭が崩壊しないのか……。不思議に思い、同僚の香織(31歳)に陽子の一連の行為を知っているのか尋ねてみる。
「あーそれね。社長の親も旦那も知っているんだよ。呆れ果てて、もう陽子は病気だって」
陽子の父親は証拠集めなのか、娘が何時に出かけて、何時に帰宅したのか、行動記録をとっている徹底ぶりらしかった。ある日、真実は陽子に不倫を辞めるように説得した。
「経営者なんだし……お店のこと、子供、旦那さんのことを考えると不貞行為は良くないと思いますよ」と。すると陽子はすかさず反論した。
「あなたには関係ないでしょ。旦那からは『止めたって無駄だから、好きなようにすればいい』って言われてるし。お前は『セックス依存症だから、俺には相手が務まらないよ』って」
夫も不倫を容認しているとこのこと。慣れとはこのことで、真実も入社半年後には、情事の話も平気になっていた。1年ほど経過すると、大輔から一方的に別れを告げられたという話を聞いた。理由は自分の不倫が妻にバレそうという内容だった。陽子は家族を裏切っている身でありながら、一方的に別れを告げた大輔が許せないらしい。
この頃から、陽子の様子はかなりおかしくなってしまった。仕事は手につかず、業務中に大輔のLINEに長文を送りつける、電話するといった行為が目立つようになった。
やけ酒と称して昼から焼酎を飲み始める日々。2週間ほど経つと情を引くためなのかリストカットを始めた。自己満足なのか周囲にも見せびらかす。きわめつけはメンタルクリニックでの診断書だ。うつ病と記載してあった。「先生にも、セックス依存症かもしれないと言われたわ」とまるで武勇伝のように笑った。
しかし、自暴自棄になった陽子は、さらに破滅へと自分の身体を溺れさせていく...。次回では、彼女の行く末とヘアサロンの現状を詳細にレポートする。
Text:FORZA STYLE