康子さんのため息は深くなるばかりだ。他の学校に勤務している彼女の友人は、若手教員が保護者対応の際にまったく保護者の目を見ることができず、少しでも強い口調でものを言われると泣いてしまうのでその教員が保護者と対面する際には必ず付き添うという新しい仕事をしなければいけなくなったと嘆いていたそうだ。
「その教員は『子どもと話して子どもに勉強を教えるのが先生という仕事だと思っていたから、保護者対応なんてしたくないです。』ってしきりに私の友人に訴えるらしいの。
友人はもうやってられないって言っていました。もしかしたら高校生よりも手がかかっているかもしれないですよね。でも彼らは、自分の言っていることや行っていることは正しいと思っています。彼らの言動が信じられないみたいな対応をするとたいてい『古いっすね。まあ、根性とかで勝てると考えていた世代ですもんね。』って平気で言いますよ」
そんな資質のない教員とどう接していくべきかの答えは、康子さんの中にはないそうだ。
ライター 八幡那由多
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