【後編】「親友の墓参りだって、許してやったのに」定年間近で妻に捨てられた【クズ亭主】が、捨てられるまで気づけなかったこと。

公平はそこでやっと美智子が本気で離婚しようとしていることに気がついたという。

「離婚届を見てもどこか、信じられない気持ちだったんです。こんなことしてごめんなさいと泣いて謝ってくるんじゃないかとか、やり直せるとどこかで思っていました」。

美智子は離婚したいの一点張り。理由は公平が家のことを何もしないのに、ひとつも感謝しないこと。そして何よりもモラハラが最大の原因だったと話した。

「モラハラという言葉は知っていましたが、まさか自分がそれに該当するとは思ったことはありませんでした。養ってやっているという言動や妻が他人と交流を持つことを制限することがモラハラだなんて…。僕にとっては普通のことだったので」。

弁護士がいなければ、公平はおそらく感情的になり、美智子を罵倒していたに違いない。しかし、弁護士という第三者、そして男がいたことで、公平は何も言えなかったという。