「桃子先生♡ おはようございます♡ 完成品、楽しみですね」
いつもどおりの返信をしたものの、「どうやってお金を工面しよう?」という気持ちばかりが頭をよぎる。
「桃子先生、今日ってマンツーマンカウンセリングお願いできますか?」
「今日? ずいぶん急ね。なにかあった? 杏里ちゃんのためなら時間作るよ♡ いつものセミナールームは当日だと多分もう予約取れないから、家に来る?」
「え、いいんですか? 行きたいです」
普段はカフェなどで会うことがほとんどで、桃子の部屋に行ったことがなかった杏里は一気にテンションがあがる。
でも、杏里はこのとき、正直にもうお金があまり使えないことを謝ろうと考えていて、最後の贅沢のつもりでマンツーマンカウンセリングを申し込んだのだった。
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