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意味あるの?電動化まっしぐらのメルセデスベンツがAMG主導でハイパワーガソリンの新型SLを出す理由

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安全装備や自動運転でますます高額化している現代のクルマ。上手に購入する方法は? さらに、所有してからも様々なトラブルやアクシデントが起きるのがカーライフ。それら障害を難なくこなし、より楽しくお得にクルマと付き合う方法を自動車ジャーナリスト吉川賢一がお伝えします。

2022年10月24日に発売開始したメルセデスのラグジュアリークーペ新型「SL」。1952年から続く伝統のブランドではあるが、今回よりAMGが開発の主導権を握り、心機一転、生まれ変わった。昨今のメルセデスといえば、SUVタイプのEQシリーズに加えて(EQE SUV、EQS SUVも登場予定)、セダンタイプのEQE、EQSも登場するなど、まっすぐに電動化への道を突き進んでいるイメージがあるが、今回の新型SLは、古き良き伝統のハイパワーガソリンターボ車。なぜメルセデスは、このタイミングで、ハイパワーガソリンターボ車を出したのだろうか。

 

■伝統的な外観と、最新デジタルのインテリアが共存

いつの時代も、スポーツカーの代表的なプロポーションといえば、2シーターオープンカーだろう。新型SLも、歴代モデルの流儀に則り、2+2シートレイアウト、ソフトトップのラグジュアリーロードスターとして開発されている。後席スペースは最小限の広さのため、使い勝手は期待できないが、低い全高と広い全幅は、誰が見てもスポーツカーとしてみなすことだろう。

シートは2+2のレイアウト。後席スペースは最小限

約15秒でオープンできるソフトトップも、高い位置にあるルーフの軽量化を考えてのこと。短い全長の割には大きな20インチのAMG 5ツインスポークアルミホイールも、実にマッチしている。試乗のために目の前にしたAMG SL43は、いかにもスポーツカーといった雰囲気の車幅の広さと低さで、高揚させられた。

「見てくれ」は往年の公式通りながら、中身はメルセデスの最新テクノロジーの塊。ボディの骨格には、アルミニウム複合素材のスペースフレームを基本とした構造を導入し、最新の接合方法を投入。これによって、ねじり剛性を従来型比でプラス18%、横方向剛性はAMG GTロードスター比でプラス50%、前後方向剛性もAMG GTロードスター比でプラス40%と、最高水準の剛性に高められているという。同時に軽量化も実現しており、ホワイトボディの質量は270kgと、ロードスター用ボディにしては非常に軽量、まさに「SL(Super Light=軽量)」だ。

インテリアは非常に豪華ながらも、巨大なセンターモニターやディスプレイなど、近代的なアイテムが目立つ

インテリアには、最新のメルセデス流デジタルながらもアナログな雰囲気をもつ「ハイパーアナログ」デザインを採用。AMGのステアリングホイールの向こう側には、昨今のメルセデス共通である派手なデジタルメーターと、インパネ中央には縦型ディスプレイが。オープンカーならではの配慮として、センター側のディスプレイは、屋根をあけると自動で垂直に立ちあがり、太陽光の反射を防ぐよう仕組まれている。おかげで、試乗の際も、光の反射によってセンターディスプレイが見えない、といったことはなかった。

ステアリングホイールの中央下に設置されている2つの円いスイッチは、右側がドライブモード変更、左側はサスペンション設定やリアスポイラーの角度変更などの機能をアサインできる

ただ、3連のエアコン吹出口や横幅のあるセンターコンソールなど、伝統的なデザインもしっかりと踏襲されている。新型SL試乗の直前に、EQSのフルデジタルディスプレイを見ていたので、それとの落差もあったが、新型SLからは、ひと世代前のメルセデスがやっていた、懐かしさすら感じるインテリアの安堵感があった。

なお、メーター側のディスプレイは、ほかのメルセデス車同様に、複数の表示パターンから選べる仕様だ。オーソドックスな2メーター表示の他にも、加速によって色味が変わる表示など、ライティングを巧みにつかったインテリアは、非常に面白い。



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