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意味あるの?電動化まっしぐらのメルセデスベンツがAMG主導でハイパワーガソリンの新型SLを出す理由

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■「ピュアガソリンエンジン搭載車の完成形」をみせてくれた!!

新型SLの走りは実に軽快。ちょっと油断すると速度が出すぎてしまう。車両重量は1780kgと決して軽いわけではないのだが、吹け上がりのレスポンスが良い2リッターの直4ターボ(最高出力280kW(381ps)、最大トルク480Nm)が、低速域からパワフルで、前へと押し出してくれるので、スイスイと走る。

グリップの高いミシュランのパイロットスポーツ4S(フロント265/40R20、リア295/35R20)も、絶大な威力を発揮している。コーナリングやブレーキングもやりやすく、その走りは感動モノ。気になっていた、直4エンジンの音も、モード可変によってエンジンサウンドが変わる仕組みなど、面白みが加えられていた。かつてのように、大排気量エンジンを積んでいたSLとは異なるが、軽やかでスポーティなエンジンサウンドも悪くない。

リトラクタブルリアスポイラーは、走行状態によって角度が可変するが、車速や前後左右の加速度、操舵速度など、多くの情報をもとに決められ、5段階(マイナス11度、6度、11度、17度、22度)、80km/h以上で展開する。積極的なドライビングを検知すると、最大角度にセットされる

スポーツカーとしての軽快さだけでなく、デジタルデバイスによる「可変機能」を有効に活用した新型SLのバランスの良さは、ラグジュアリースポーツのなかでも、特質モノだ。バッテリーEV全盛時代へと移り変わる前に、ピュアガソリンエンジン搭載車の完成形を見せてくれたのが、今回の新型SLを出した意義なのかもしれない。そもそも今の時代に、高出力ガソリンターボのモデルが生き残っていること自体が奇跡であり、感謝をしなければならない。

 

■今後BEVになっても、オープンカーの醍醐味「音」は楽しめるはず!!

オープン状態で走ったときの非日常感は、一度味わうと忘れがたいものだ。周囲の空気の流れを感じたり、風音と共に、周りの音がダイレクトに聞こえるのは非常に楽しい。とりわけ質の良いエンジンのサウンドが聞こえるのは、オープンカーの醍醐味のひとつだろう。

SLもこの先、バッテリーEVになる可能性が高いが、「音」に関して期待できるのが、モードチェンジで野太い加速サウンド(サウンドエクスペリエンス)を表現する機能だ。静けさだけが取り柄の無味無臭なBEVが多いなか、新型EQSでは、このサウンドエクスペリエンスによって、BEVの新たな可能性を見せてくれた。この先、ピュアガソリンエンジンではないSLで、「音」に関して、メルセデスがどういった味付けを施してくるのか、今後のSLも非常に楽しみだ。

Text:Kenichi Yoshikawa
Photo: Mercedes-BENZ
Edit:Takashi Ogiyama



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