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いまさら聞けない?シトロエンのハイドロニューマチックの魅力とは?

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■現在は全く違うシステムながら、ハイドロニューマチックの思想は反映

しかし、すべて同じ油圧回路を用いていると、どこかで漏れや不具合が発生してしまった場合、システム全体に影響が及んでしまいます。これを解消するため、1989年に登場した「XM」には、システムをデジタル制御に進化させた「ハイドラクティブ」を搭載。

その後、エグザンティアの後期モデルに搭載された「ハイドラクティブⅡ」、2000年登場のC5に搭載された「ハイドラクティブⅢ」にアップデートされ、さらに、電子制御スプリングによる「ハイドラクティブⅢプラス」へと進化。しかし近年は、新たに「PHC(プログレッシブ・ハイドローリック・クッション)」というサスペンションシステムを開発し、それを積極的に採用しています。

これは電子制御でアクティブに姿勢変化をもたらす従来のシステムではなく、メカニカルな機構のみで減衰制御を行なうパッシブなシステム。シトロエンは、信頼性と耐久性を高めつつ「魔法の絨毯」の乗り心地を実現できる新しいサスペンション、つまりハイドロニューマチックの現代的な解釈としてリリースさせたものだとしています。

PHCは2017年10月に発売されたC4カクタスの改良版から搭載され、日本ではC5エアクロスSUVが初出となっています。根本的にハイドロニューマチックとはメカニズムが違いますが、シトロエンが目指す快適な乗り心地やユーザビリティを現代的な技術で継承しているという意味では、今でもその思想が反映されたサスペンションシステムだといえるでしょう。

 

■量産車に搭載されたことも特筆すべき点

ハイドロニューマチックは、20世紀における、もっとも革新的なサスペンションシステムであり、超高級車のような手の届かないモデルではなく、量産車に搭載されたという点も特筆すべき点です。クルマを取り巻く環境が大きく変化している時代ですが、「暮らしを豊かにするクルマ」を、これからも造り続けていって欲しいと思います。

Text:Tachibana Kazunori,MMM-Production
Photo:CITROEN,Getty Images
Edit:Ogiyama Takashi



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