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CAR Dr.ノリシゲの妄想ドライブ

都市伝説検証。「シトロエン乗りは変人が多い!」は本当か?

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説明しよう! 妄想ドライブとはヴェテラン モータージャーナリスト・ノリシゲセイイチが「このクルマにのったら、こんなことをしたい。こんなところに行きたい。この街道でぶっ飛ばしてチャンネーとこんなことがしたい!」と妄想の世界に遊ぶ気絶コラムである!

個性的なクルマは視線が痛い!?

クルマ好きが集まると不毛な議論に陥ることがあります。ある日のこと、ランエボ(三菱ランサーエボリューション)オーナーとインプオーナー(スバル・インプレッサ)オーナーが「デブ率の高さ」を巡って丁々発止。ともにWRCレプリカと呼ばれるスポーツカーに乗る者同士。そして二人とも標準体型より、どう見ても重量増。クルマ談義も白熱すれば不仲の引き金となります。

この手の話で都市伝説級なのが「シトロエン乗りには変人が多い」というもの。本当でしょうか?

伝説となった要因は、やはりシトロエンDS(1955~1975年)といういまではクラシックなモデルが作り上げたと思います。大統領専用車となったほどの名車ですが、最上級モデルはサスペンション、トランスミッション、パワーステアリングなど、すべてを1系統の油圧で統括制御。それ故に、ひとたび故障すればまったく使い物にならず。

ドーバー海峡を越えロールス・ロイスに頭を下げてまで実現した油圧制御のエアサスペンション「ハイドロニューマチック」も、この複雑な機構が原因でよく故障しました。しかし、まともに動けば天下一品。マジックカーペットと評される極上の乗り心地を提供してくれます。というワケで、故障→修理→故障→修理の無限ループ。確かに変人じゃないと乗れないかもしれません。

さて、昔話はさておき、現在のシトロエンです。輸入車の世界はやはりドイツ勢が強く、日本ではフランス車というだけで少数派です。しかし、それだけ個性を打ち出しやく、気に入れば素敵なカーライフが送れることを意味します。

日本におけるフランス車の2020年度と2021年度の上半期データを見てみましょう。販売数順に並べると、プジョーが3964台→5788台で146%、ルノーが2809台→4108台で141.6%、シトロエンが2033台→2836台で139.5%、DSが412台→415台で100.7%となります。コロナ渦でありながら現実的には4ブランドとも前年実績を上回る結果に。

さてさて。そんなシトロエンから最新モデル『C3エアクロスSUV』が発表・発売に。デザインは好みの分かれるところでしょうが、気に入れば絶対個性の1台。

このモデル、正確には2017年デビューのマイナーチェンジ版となりますが、エクステリアデザインはキリリと引き締まった印象に変わりました。また、インテリアは『アドバンストコンフォートシート』の採用がトピックに。なんせシート生地裏のフォームが2mmから15mmと分厚くなり、高級車の座り心地を実現。結果的に乗員に伝わる微振動が減って疲れにくい構造になっているのです。

ボディサイズは全長4160×全幅1765×全高1630mm。この高さなら立体駐車場に収まると思います。車体は4メートル少々の長さですが、対するホイールベースは2605㎜とゆとり設計なので大人4名の乗車でも窮屈な印象はありません。搭載するパワーユニットは130馬力の1.2L直列3気筒ターボ。トランスミッションは6速ATで従来から定評のある組み合わせとなります。

気になる価格(税込み)はエントリーモデルが293万5000円、ちょい足し装備の上級モデルが318万円です(ともに右ハンドルの日本仕様)。国産車と比較しても、プレミアムコンパクトの個性派SUVがこの価格なら、かなりお値打ちなのではないでしょうか。

個性とかスタイルを追求するには相応の勇気が必要です。なんせ数の上では少数派ですから。大人のモノ選びは自己基準の時代です。その点でシトロエンの最新モデル『C3エアクロスSUV』はボーダーラインに達していると思うのです。

Text:Seiichi Norishige

シトロエン



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