夫はタバコは吸わず、酒も嗜む程度で趣味もあまりない。どうしてこんなにお金を使っているのだろう……。あかねは検討がつかなかった。
すぐにでも裕太に確認したかったが、この状況を電話で解決できるはずはない。どうしよう……。時計を見て、あかねは急いで外出の支度をする。
今から向かえば、ちょうど裕太の昼休憩に間に合いそうだ。裕太はいつも近所のコンビニで昼食を買っていると聞いていたので、会社ビルの入口付近で待ち伏せする。
しばらくして裕太がビルのエントランスから出てきた。しかし、コンビニとは真逆の方向に、急ぎ足で歩いて行く。気づかれないようにあかねも後を追った。
目的地はすぐ近くだったようで、雑居ビルのような建物のなかへ入っていく。急いで向かったあかねの目に飛び込んできたのは「消費者金融」の文字。まさか……。
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