足の震えが止まらなかったが、なんとか気持ちを落ち着かせて、裕太がその建物から出てくるのを待った。
「裕太くん!」
「は? なんでここにいるの?」
驚きとともに苛立っている様子だ。
「今なにしてたの? ここなんのお店?」
「何しにきたの? 意味わかんないんだけど!」と言って、裕太は歩き始める。
「待ってよ! どういうことなの? お金ないの……?」
立ち止まった裕太は、あっちに行こうと言って近くの公園のベンチに向かう。
並んで座り、裕太が話しはじめるのを待つ。
「実は……」と、あきらめたような表情で、口火を切った。
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