来る日も来る日も性的なサービスをさせられる日々。「これが一生続くのか……」と諦めながらも、ご飯を届けてくれる見張りと毎日話すことが唯一の楽しみだった。
徐々に見張りの男性も心を許し始め二人は、家族構成や幼少期のこと、夢など身の上話をするようになった。
「もし、ここから出られたら家族のためにしっかりとお金を稼ぎたい」
「兄妹が6人で一番下の妹は今小学生になったと思う」
「俺は5人家族だったけれど、両親と弟は銃で撃たれて死んでしまったから妹と2人なんだ」
「ここもそろそろ危ないかもしれない。トラブルがあってうちのグループが狙われている。妹ともう会えないかもしれない」
毎日の会話の中で、アデリータ達を買い取ったグループが麻薬がらみで狙われていることを知る。
「出られるかもしれない」と淡い期待をするもドアには鍵がかかっているため、逃げることはもちろん、何も出来ないでいた。
監禁が2年近く続いたある日、急に外から銃声が聞こえた。見張りの男性が「逃げるぞ。車に乗り込め」と指示している声やドアの鍵を開けている音が聞こえるが、アデリーナの部屋は一向に開かない。
「え? 私は逃げることはできないの? このままここで殺されるのか」と諦めかけた時に、アデリータの部屋の鍵が開いた。しかし、そこで驚愕の言葉を耳にする。
「銃撃されているから逃げるぞ。でもお前は車に乗らずにどこかへ逃げろ。逃げたら狙われるから見つからないように気をつけてな」
RANKING
2
3
4
5
2
3
5