2022年10月27日、欧州連合(EU)は、2035年に内燃機関エンジン車の販売を事実上禁止することで合意しました。これによりEUでは、ガソリンを燃料にしたハイブリッドやプラグインハイブリッドも、それ以降販売ができなくなります。すでに、世界の各自動車メーカーは、BEV(=Battery Electric Vehicle=バッテリー動力のみで駆動するEV)化の流れに対応する動きをみせていますが、それでも、あと13年で販売するすべてのクルマをBEVにする、というのは、現実的ではない気も。今後の課題を考察します。
■規制を念頭に、BEV化を進めてきた各自動車メーカー
今回の合意の前から、世界の各自動車メーカーは、EUにおける規制を念頭に、BEVへのシフトを進めてきました。ボルボは2030年までに100%電気自動車メーカーに移行することを計画していますし、ドイツのBMWも、およそ17億ドル(約2500億円)を投じて建設した、米国の同社最大規模の工場でBEVの生産を開始すると発表しています。同じくドイツのフォルクスワーゲンも、2030年までに新車販売の50%をBEVにする計画があると発表しています。
日本の自動車メーカーも、たとえばレクサスは、2035年までにグローバルでBEV100%を目指すと発表していますし、トヨタも、中国で、同国のEVメーカー「BYD」との合弁会社と共同開発したBEVの第二弾となる「bZ3」を先日(2022年10月)発表するなど、BEV化への動きを活発化させています。
そのほか、日産は、2026年までに欧州で販売する新車販売の75%をEVと「e-POWER」にするとし、2030年度までには100%まで高めるという計画があるようです。またホンダも2040年までにEVとFCV(水素で走る燃料電池車)の販売比率を全世界で100%にすると宣言しています。
しかし、果たしてそれらは計画通りに行くのでしょうか。問題点をあげてみます。