■キー
すでにいくつかの車種で採用されているが、スマートキーは、今後、スマホに置き換わっていくだろう。スマートキーは、キーをわざわざ取り出さなくてもドアロックのロック・アンロックやエンジンのオン・オフ、ラゲッジを開閉できる便利なシステムだが、肌身放さず持ち歩くスマホで同じことができれば、キーの持ち歩きが不要となる。複数クルマを所有するユーザーは、何個もキーを管理する必要がなくなる。
NFC（Near field communication：近距離無線通信）の併用によって、スマホのバッテリー不足で使用できないといった心配も不要。データ通信可能なスマホであれば、家族や友人とのキーの貸し借りもその場で簡単にできるため、災害などの緊急時にも重宝されるだろう。
■メーターディスプレイ
従来のメーターディスプレイはなくなり、その代わりに、フロントウィンドウへの投影やフロントウィンドウの付近に小型化されたディスプレーが配置される可能性がある。ドライバーの視線移動だけでなく、焦点距離の変化までも抑えられる有効な手法だ。
既にメルセデスなどの一部の車種では、フロントガラスにナビの方向指示ビューを投影している。今後は国産メーカーでの導入が進めば、メーター関連のデザインが大きく変わってくるだろう。
■ブレーキペダル
アクセルを戻すとブレーキが掛かるワンペダルドライブの普及により、ブレーキペダルも無くなる（小さくなる）可能性がある。
ワンペダルドライブはシンプル操作なので、慣れれば足の疲労も少なくなるが、ペダル操作を丁寧にしないと、ぎくしゃくした運転となってしまうので毛嫌いされている。現時点だと、アクセルペダルOFFで完全停止をするクルマは少ない。
もしも、すべてのブレーキ操作を、クルマ側が絶妙にコントロールしてくれるならば、ドライバーは「発進する」操作だけで、走行ができる未来がくるかもしれない。
■まとめ
今回挙げたもののほかに、ワイパーレバーやヘッドライトオンオフスイッチなど、消えていくと思われるアイテムはいくつかある。10年後の新型車で何が消えているのか、どのようなアイディアでそれを消したのか、答え合わせが非常に楽しみだ。
Text：Tachibana Kazunori,MMM-Production
Photo：Porsche,TESLA,Adobe Stock
Edit：Ogiyama Takashi
