いまから10年前、テスラ「モデルS」が登場した。パーキングブレーキやシフトレバーといったほぼ全ての物理的スイッチ類が、大型ディスプレーに集約されたインテリアは、当時衝撃をもって受け止められた。

クルマの電動化により、以前は当たり前だった装備が、クルマからどんどん消えていっている。手引き式や足踏み式だったパーキングブレーキはスイッチ式に、シフトレバーもボタン式のものが登場している。では、次に消えていくクルマの装備は何だろうか。
■ドアハンドル
今後、クルマの電動化とともに消えていくと思われるのが、ドアハンドルだ。ドアハンドルがボディに格納されると、空気抵抗の緩和に加えて、風切り音も低減に大きく貢献する。電動化が進んだことで、エンジン音など走行中に聞こえていた音がなくなった分、その他の「音」に関してはよりシビアになっている。また、空気抵抗の低減も、航続距離を延ばすために必須の対策だ。
ドアハンドルが格納されると、デザインの洗練度も増す。身近なクルマだと、2007年に登場したR35型GT-Rや、「美しすぎる」と世界で高い評価を受けているDSオートモビルズ 「DS4」、ポルシェのBEV「タイカン」など、ボディと一体のドアハンドルを採用している。

ちなみに、ドアハンドルの展開方法は、キーを持ってクルマに近づくタイプ、ドアハンドルに触れるタイプなど様々。筆者は、近づくと展開するタイプがおもてなしを受けているようで気に入っている。
■スイッチ類
オーディオやエアコンのスイッチなど、すでに多くのスイッチ類がディスプレーに集約されているが、今後は、ウィンドウ開閉スイッチやスタータースイッチなども、集約されていくだろう。

このように、スイッチ類をディスプレイに集約することについては、現状は使い勝手が悪い部分もあるのだが、ジェスチャーや音声コマンド入力技術の進化によって、それも改善されていくと思われる。