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FASHION 百“靴”争鳴

代々木上原を愛して半世紀。いつかMADE IN YOYOGIUEHARAの靴を世に! 最終回

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MADE IN OAHUは譲れなかった

アイランドスリッパを知ったのは遊びにいったハワイ。ヒルトン・ハワイアン・ビレッジのスーヴェニアショップに飾られていたんです。

なにが驚いたって、ロゴにMADE IN OAHUと書かれていたこと。USAじゃないんです。その気概に中って、わたしはタグに記載されていた連絡先に電話しました。

「よかったら工場を みにおいで」というので おっとり刀で駆けつけました。型を抜き、ミシンで縫い、糊をつける。プリミティブな生産現場をみて、わたしは いっぺんで虜になりました。そこへもってきて、アイランドスリッパは福島から移住した本永瀧蔵さんという日本人が1946年に創業した会社でした。なにからなにまで面白い。

3代目のジョン・カーペンターは「8月にラスベガスのシューショーに出るからきてくれ」といいました。こうして取引が始まりました。

取引にあたり、わたしはひとつ、注文をつけました。そのころのアイランドスリッパは一部のモデルを中国でつくっていました。わたしは熱弁を振るいました。「アイランドスリッパのヘリテージを伝えようと思えばハワイでつくらなければならない」。いまでは100%ハワイ産です。

草履をベースにした鼻緒デザインに、たっぷりのクッション材。ブランドを代表するPT202は発売から30年以上経ってなお当時のデザイン、ラスト、コンストラクションが現役です。それでいて古びていない。ここまで完成されたサンダルはなかなかお目にかかることができません。

やっぱり輸出先では日本がナンバーワンです。

ブランドにとってルーツはとても大切なものです。アイデンティティですからね。この点でジャラン スリウァヤには ひとかたならぬ思いがあります。

インドネシアの大使館から表彰された

ジャラン スリウァヤはインドネシアで1919年に創業したフォーチュナシューズ社がつくるブランドです。家内制手工業に始まり、軍靴とローカルのサンダルで地力を蓄えました。

そのサンプルからは一目でていねいなものづくりがみてとれました。ここなら九分仕立て(出し縫いのみマシンを使うウェルテッド製法)もつくれるに違いないと確信したわたしは、これからは数を稼ぐことよりも手間暇をかけたものづくりに投資すべきだと持ちかけた。わたしが口説いたのは専務のルディ・スパーマン。理解のある男でした。九分仕立てはいまやフォーチュナシューズ社のメインメニューになりました。数十人の職人がずらりと並んですくい縫いをしている様子は何度みても飽きることがありません。

ブランド名はスリウァヤという本社の目の前の通りの名から採りました。ジャランはインドネシア語で“通り”の意になります。あぁ、ジャラン スリウァヤはGMTがパートナーとしてそのものづくりに入っています。われわれがデザインから起こしており、マーチャンダイジングも日本主導で行っています。

昨年、駐日インドネシア共和国大使館のアンバサダーアワードをいただきました。取り組みが始まって19年。この受賞は感慨深いものがありました。



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