B to BからB to Cへ
GMTは問屋業に始まり、リアルスコープをはじめとするセレクトショップ、そしてオンリーショップという具合に手持ちのカードを一枚一枚、増やしてきました。
世界観を伝えようと思えばオンリーショップがベストです。フルラインナップで、本国とおんなじしつらえとものづくりの現場を伝える映像や画像。
オンリーショップはかつては難しいといわれることもありましたが、ネット検索がスタンダードになったいま、トップに出てくるオンリーショップは集客力が高い。
セレクトショップはいまなお弊社の中核をなす存在です。リアルスコープ、オールコンフォートシステム、シューライブラリー、バーニッシュ……。扱う商材によって看板を変えているのもこだわりです。金太郎飴じゃなくて、その商材、立地に寄り添うMDを目指す。そしてひとたび店を出せば、店長に大きな裁量を委ねる。リアルなMDを構築しようと思えば現場を知っている人間に任せるのが一番ですからね。
ここ(セレクトショップ)で芽が出たブランドはオンリーショップへ。そういう道筋もできました。
問屋、セレクトショップ、オンリーショップ。どれが欠けてもいまのようなポジションにはたどり着けなかったと思います。
“リアルスコープ”なラインナップ
アイランドスリッパ、G.H.バス、トリッカーズ、ジャラン スリウァヤ、パラブーツ……。扱いブランドに共通するのは、ほんもの。ほんものを伝える――それがわたしのモットーです。なんていったって、最初に出した直営店がリアルスコープですから。
社名のGMTは時計業界で使われる国際的な基準時刻ですね。世界標準の靴を紹介したい、という思いからきており、根っこにあるのはリアルスコープとおんなじ考え方です。
付け加えるならば、ビームスが仕入れたいと思うもの。ビームスは わたしにファッションの面白さを教えてくれた憧れのお店ですから。彼らが欲しがる靴をこれからもみつけていきたい。
つづく
横瀬秀明(よこせひであき)
GMT代表取締役。1965年6月6日、代々木上原生まれ。高校卒業後、ダブル・エフ・ジー入社。カンペール、ビルケンシュトック、パラブーツといったいまをときめくブランドを発掘する。1994年、GMTを創業。ジャラン スリウァヤ、G.H.バス、トリッカーズ、アイランド スリッパなどやはりシューシーンに欠かせないブランドを展開。10を超える直営店を運営するかたわら、ビームスやユナイテッドアローズ、三越伊勢丹といった日本を代表するストアとも太いパイプを築く。
【問い合わせ】
GMT
https://www.gmt-tokyo.com
Photo:Simpei Suzuki
Text:Kei Takegawa
Edit:Ryutaro Yanaka