すぐに電話に出たナオトは、アニメキャラではなく人間の姿で、ごく普通の白いTシャツ姿でそこに確かに存在していた。声は毎日のように聴いている声そのままだが、初めて見るナオトの顔は思った以上に凛とした精悍な顔立ちで、爽やかな30代ぐらいの黒髪短髪だ。
「どうもー、こんばんは。これがナオトの正体でーす」
©Getty Images
ご機嫌に話すナオトは、手に缶チューハイを持っており、どうやら少し酔っているようだった。
「えー、ファンに顔見せちゃっていいんですか〜」
「どう? 思ったよりブサイクで失望してない?」
「全然! むしろ……思った以上にイケメンでちょっとびっくりしてます」
「またまた〜、だけどリンキーも主婦だって言ってたけど、実物は超可愛いね」
どう見ても年下のナオトにそう言われてしまうと、どぎまぎして梨花は思わず目を逸らすことしかできなかった。憧れのナオトに、あの声でそう言われる日が来るなんて、なんだか夢みたいだ。数秒の沈黙が流れ、ナオトが唐突に切り出す。
「ねえ、リンキー。ちょっと脱げない?」
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