結婚10年目、子供は6歳、現在セックスレス。
そんな自分の境遇をふと思い出し、夏実(仮名)はため息をついていた。アラフォーと言われる年齢となり、2人目の子供が欲しいとは思いながらも、することをしなければ妊娠することなんてあるはずもない。
しかし、夫とはレスの話をするたびに険悪な雰囲気になってしまうため、ついにこの話題については触れるのをお互いにやめてしまって早数年。2人目の子供はもう諦めてしまっている。
※この記事は取材を元に構成しておりますが、個人のプライバシーに配慮し、一部内容を変更しております。あらかじめご了承ください。
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夫や子供の洗濯物を畳みながら、テレビを眺めているとスマホが鳴った。
<マサトさんからフォロー申請が届きました>
高校の同級生たちとゆるく繋がっているSNSでは、夏実はアカウントに鍵をかけている。全員知り合いだし、この人誰経由でのフォローだろう……っていうか、誰?
そう思った瞬間、ダイレクトメッセージが届いた。
「これ、夏実ちゃんのアカウントだよね? 夏実ちゃんがサッカー部のマネージャーやってた時、1コ上の学年だったマサトだよ。おすすめに出てきたから申請してみたけど、覚えてるかな? 人違いだったらごめんなさい。」
ああ、マサト先輩か。——数十年前の記憶が蘇る。
優しくていい人だなあとは思っていたけれど、学年も上だし、そこまで接点もなかった人。でもそんな人とも繋がるんだから、SNSは面白い。多分きっと、サッカー部のマネージャー仲間経由でおすすめに出てきたんだろうな。ここはちょっと、社交辞令を。
「マサト先輩、もちろん覚えています! お元気ですか、まだ地元にいらっしゃるんですか? 私は結婚して、関西のほうに出てるんです〜」
懐かしい気持ちと、久々に男性とメッセージを交換する気恥ずかしさ。さまざまな気持ちを味わいながらも、夏実は少しドキドキしながらメッセージ返信した。
Text:女の事件簿調査チーム