お茶菓子をつまみながら、ふたりは意気投合しておしゃべりに没頭していた。少しずつ打ち解けて、蘭も息子の話などをしていた。
1時間が経過し、涼介は腕時計を見ながら、立ちあがろうとする。
「あ、もうこんな時間。蘭さんすいません、お菓子美味しかったです、ご馳走様でした」
「いえいえ、引き止めちゃってごめんなさい。涼介くんかっこいいし、おばちゃん癒されちゃったわ」
そう、これは線引き。10歳も年下の男性に変な言葉を言って気持ち悪がられないように、蘭は自らをおばちゃんと言うことで、おちゃらけた雰囲気を作ろうとした。しかし、涼介が真顔でその雰囲気を壊そうとする。
「……何言ってるんですか、おばちゃんとか言わないでくださいよ。そういうのほんと、よくないっすよ」
RANKING
3
5
3
4
5