1.いつもより、タイヤ1～2本分左を走行する
左ハンドル車を運転する際は、クルマが中央車線に寄ってしまうことを避けるため、右ハンドル車のときよりもタイヤ1～2本分左にずらしたライン上にドライバーがくるよう位置を調整するとよいでしょう。運転中に、サイドミラー越しに見える白線とボディとの距離を見て、左右位置を合わせるようにすると上手くいきます。
2.交差点では、視点を大きく動かして安全確認
左側通行を原則とする日本では、車両の左側から運転する場合、右側からよりも安全確認がしにくくなります。それを補うには、視線を大きく動かすことが重要。右折時には前走車が死角となり対向車の視認性が悪くなるので、カーブミラーも見にくかったりしますが、そういう場合は、いつもより少しだけ中央車線にクルマを寄せることで、視点が右ハンドル車に近づき、安全確認しやすくなるので試してみてください。
3.MT車の場合、シフト操作は、ハンドル操作の前に終える
かなり希少な事例ではありますが、マニュアルトランスミッション（MT）の左ハンドル車は、右ハンドルでMT車の操作に慣れていても、シフト操作の際にはクルマの動きがギクシャクなりがち。特に旋回中にシフトチェンジするとギクシャクしやすいため、できれば直進中にシフト操作を完了させるような覚悟でいるとよいでしょう。
■ちょっとしたメリットも
そんな左ハンドル車にも、ほんのちょっとだけメリットがあります。それは、左側の感覚がつかみやすいため、路肩にクルマを寄せることがしやすく、右ハンドル車よりも縦列駐車が簡単にできること、です。右ハンドル車で、路肩にクルマを止めようと寄せ過ぎて、ホイールを「ガリッ」と削ってしまうことが、多少は防げるかもしれません。
■決して難しくはない
普段、日常の足として使うには不便な左ハンドル車ですが、なかには、左ハンドルのマニュアル車といったマニアックなクルマを好んで乗る方もおられ、いまでも左ハンドル車ならではの優越感の虜になっているかたは少なくないようです。
左ハンドル車の運転は決して難しくありません。落ち着いて運転すれば、何の問題もないです。コロナ禍が落ち着いて、自由に海外旅行へ行けるようになったとき、海外で（さらに右側通行という違和感はありますが）左ハンドル車を運転する際の参考になれば幸いです。
Text：Tachibana Kazunori,MMM-Production
Photo：AC
Edit：Ogiyama Takashi
