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【後編】「最愛の人に看取ってもらいたい」死期の近い父の“結婚”を認めてしまった子ども達の後悔

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誠司の病状は悪化の一途をたどり、手術をしても回復の兆しが見えず、日に日に痩せ細っていった。自分の死期を感じた誠司は、和巳をシンガポールから呼び寄せ、子供達と話をしたいと言い出した。

©Getty Images

「治療内容の説明や集中治療室への付き添いは家族しか入ることができない。自分にとって最後の最愛の人に看取ってもらいたいから結婚して家族になりたい。最後の瞬間まで、麻子と一緒にいたい」ということだった。

和巳は反対したが、これまでの麻子の献身的看護のことを考えると、祥子と美穂は反対することができなかった。結局、和巳も相続のことは色々と気にはなるが、多少は分けることはありなのではないかという気持ちから、あまり調べることもせず結婚を了承した。

数ヶ月後、誠司は安らかにこの世を後にした。癌が発覚してから、わずか1年という短い期間だった。



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