それから三年後、美耶は仕事の帰りに虎ノ門の駅でばったり雅樹と再会した。
相変わらずの爽やかなラテン系の笑顔に美耶は、「やっぱりいい男だな……」と、少しドキッとした。
「おぅ、美耶さん、元気?」
「お久しぶり。元気よ。あのときは最悪だったけど……」
「本当に酷かったよね、迷惑かけてごめん。申し訳ない」
聞けば半年前、あの早紀ととうとう結婚したとのこと。私との事件の後、早紀はまた自殺未遂をしたうえに雅樹の子を妊娠してしまったらしい。
「え? 本当に?? ごめん、笑っちゃうんだけど……。してることは、してるんだね」
コイツ、反省しないヤツ……。と美耶が心の中で呟いたのを、雅樹は察したかのように話し出した。
「半狂乱になっているのをなだめようと思ってたら、そんなことになっちゃって。今の結婚生活は針のムシロだよ。うまく行くはずなかったんだよな〜やっぱり。もう今は別居状態で弁護士が入って協議が始まったんだ」
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