今後の目標は…
FORZA:今後について、直近の目標なんてあったりしますか?
Keicondo:海外展開したいのはあります。そのためには海外の飲食店とのネックワークを広げて、どう使って貰えるかをリサーチしたいです。食事自体もナチュラル思考になってきているので、うつわも邪魔しない素朴なものが求められているとか、そんな状況を研究・把握して提案できるようになりたい。
もし使って貰えるようになったら海外にも行けるし、最高の楽しみになりそうです。
ひさこ先生:海外から買いたい的なオファーや、個展しませんか的なアプローチはありますか?
Keicondo:ちょこちょこありますが、実際は海外との取引は発送なんかも大変で…。壁が大きいですね。その障壁が取り払えるなら、うつわも自分も行きたいです。
ひさこ先生:Keiさんにオーダーが入るうつわって、最近どういった傾向ですか?
Keicondo:以前は大ぶりなものを求められましたが、最近は21cm径のお皿、7寸皿が増えてきています。
ひさこ先生:レストランでもポーション含め、ひとつずつのお皿が小さくなってきてる印象で、コースでも大きいお皿でサーブされることが少なくなってきてますよね。
FORZA:大きいお皿に ちょこんと盛られる料理が好きなんですが、流れは変わってきてるんですね。
Keicondo:それから、飲食店は少しフラット気味、一般家庭の場合は縁があるものを求められます。あとは、ナイフ・フォークの当たりを気にされたり。
圧倒的に皿を求められることが多いんですが、ここ最近でちょっと楽しいのは生活空間を彩る、ランプシェードや植木鉢なんかを求める声がでてきたことです。
Keicondo:ランプシェードの場合は、ぶら下げるから なるべく薄く軽くして、形状もしっかり測って作らないといけないとか、土も釉薬も素材は一緒なんですが、作りだけが異なる。
同じようでありながら同じじゃない。本当よく考えて作るようになりました(笑)。
FORZA:Keiさんのうつわって、どこに行けば たくさん見られますか?
Keicondo:お付き合いのあるギャラリーは継続しながらも、最近はセレクトショップやライフスタイルショップでの展開が多くなっているんですが、こちらは結構周期が早くて。始まったと思ったら すぐに終わってしまう…。
取り扱って頂くのは、まだまだ新規が多いです。ジャーナルスタンダードとビオトープは新たに展開が始まって、イデーでは個展も予定しています。
FORZA:バイヤーが変わると、ガラッと色を変えるショップが多いですからね。そうでないと、ただの後任にしかならないからなのか。前任のバイヤー色が強い人ほど切られる可能性が高い。
Keicondo:なるほど。でも、引き継がれた後に挨拶されて、二言目に「何が売れていますか?」って聞かれるのは…。
FORZA:よく聞く話です。もちろん傾向を知るのは必要でしょうけど、本来は審美眼磨いて売れるものを見出していくのがバイヤーの仕事なのに、肩書きだけで、あぐらかいてるひとが多い気がします。
Keicondo:「あなたとなら、こういうことをしていきたい」という提案をしてくれたら、僕のモチベーションも上がって楽しめるんですが、売れてそうなんで「おろして頂けますか」みたいな買い付け方だと、うーんって。
ただ並べて終わりじゃ あんまり意味がないし、なにかアクションを起こせば、まぁ手間は増えてしまうかもしれませんが、将来的には絶対プラスになると思うんです。
FORZA:そこは、強めに言っていきましょう! なんだか話が逸れていきそうなので、クルリンパと戻しまして。ひさこ先生、Keicondoさんのおすすめポイントを教えてください!
ひさこ先生:Keiさんのうつわって、料理を盛ると表情が変わるんです。お野菜を盛っても素敵だし、パスタもお肉も美味しそうに見える。デザートをのせても映えます。
お話の中にもありましたが、シェフの方々の意見を参考にブラッシュアップしてるから痒いところに手が届くというか、すごく研究されてると思います。
FORZA:おぉ。では、ひとつ購入させて頂きたいんですが、どれがいいでしょう?
ひさこ先生:黄色のシリーズも素敵なんですが、今回お邪魔して一番最初に目に入った、この白のプレートなんて、いかがでしょう?
フラットなので、汁気のあるものは気をつけないとですが、それ以外なら和洋中問わず、何にでも使えると思います。
FORZA:小林さんのところでは大鉢だったので、プレートは嬉しい! では、今回はこのホワイトプレートを自腹買いさせて頂きます!
Keicondo:ありがとうございます! 4月29日~5月5日で開催予定の「笠間の陶炎祭」にも出典するので、ぜひまた遊びにきてください。
Keicondo
大学卒業後1年ほどのサラリーマン生活を経て、茨城県窯業指導所(現・茨城県立笠間陶芸大学校)に入所して陶芸を学ぶ。その後、JICAの海外派遣に参加し、2年間南米ボリビアで陶芸を指導。帰国後にアトリエを開いて独立し、人気の作家に。1981年、茨城県笠間市生まれ。
https://www.instagram.com/keicondo/
行方ひさこ
ブランディングディレクター
アパレル会社経営、デザイナーなどの経験を活かし、ストーリーやデザインなどの一貫したコンセプトワークを行うことでトータルでブランドの向かうべき方向を示す。食や工芸、地域創生などローカルに通じる幅広い分野で活動中。
https://hisakonamekata.com
https://www.instagram.com/hisakonamekata
Photo:Shimpei Suzuki
Direction:Hisako Namekata
Edit:Ryutaro Yanaka