ハンバーガーメニューボタン
FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
CAR 得するクルマ生活

シビックタイプRはホンダ最後の砦なのか?

無料会員をしていただくと、
記事をクリップできます

新規会員登録

■ファンがほっとするような、前向きな報告を聞きたい

ホンダは2020年に新型フィットを、2021年には新型ヴェゼルを国内投入したが、その陰では、オデッセイやレジェンドといった名門に加えて、シャトル、CR-V、インサイトといったミドルクラスの乗用車、そして、NSXやS660といったスポーツモデルの生産終了を発表している。生産終了の発表ばかりが相次いでいる状況で、「ホンダは大丈夫なのか」と多くの人が思っているだろう。

東京オートサロン2022で取材させていただいたホンダ関係者によると、ホンダ自身も、ファンに寂しい思いをさせてしまっていることを危惧しているという。少しでも、元気にある話題を提供したいと考え、東京オートサロン2022で、目下開発途中の次期型タイプRプロトタイプを披露することとしたそうだ。

しかし、ホンダが「2040年までに世界での新車販売全てを電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)に切り替える」と発表していることを考えると、今のままのタイプRには未来はないはずであり、ファンとしてはそちらの方が気になるところであろう。「バッテリーEVになっても、ホンダらしさは残す」とは言うが、だとしたら、その覚悟を、仮でもよいので、新型車のコンセプトカーなり、将来のラインアップの一部なりで、同じ東京オートサロン2022の場で見せてほしかった。

2021年12月、トヨタはバッテリーEV戦略の一環として、開発中のトヨタ&レクサスブランドのバッテリーEV16車種を発表した。コンパクトカーからフルサイズピックアップトラックに至るまでフルラインアップを揃え、その手前で両手を広げた豊田章男社長を囲んだあの光景は、トヨタの「凄さ」を世界に示した。

2021年12月、トヨタはバッテリーEV戦略の一環として、開発中のトヨタ&レクサスブランドのバッテリーEV16車種を発表。世界へ向けて、トヨタの覚悟を発信した

「本当に15車種をすべて出せるのか」なんて論議は実際どうでもよい。覚悟を持って既に「用意」していることを、あのタイミングで、ステークホルダーへ示したことに意味がある。

バッテリーEVをつくるメーカーが続々と誕生している現在、ホンダのバッテリーEVを選ぶ「理由」が説明できないようでは、ホンダファン以外には選んでもらえることはない。もはや、「加速の速さ」や「満充電時の航続距離」などは、ウリにはならず、「当たり前性能」のようなもの。バッテリーEVによるライフスタイルの拡充(V2Hのような)も、どのメーカーでもやることになるはずだ。

これまでは「エンジン性能」で売ってきたホンダが、どのようなシナリオで将来の商品ラインアップを組み立ててくるのか、現時点では、「期待」以前に、「不安」のほうが勝っている状況だ。ホンダへは、ファンがほっとするような、前向きな報告を聞かせてほしいと、お願いしたい。



RANKING

1
2
3
4
5
1
2
3
4
5